ここでは野球の選手交代ルールについて解説します。
選手交代に関してアマ(高校野球や大学野球など)と、プロ野球でルールが多少違う部分もあります。
ただ共通点も多いので、まずは共通点から見ていきましょう。
基本的に選手交代はどんなときに出来るの?
選手交代はボールデッドになっているときにできます。
ボールデッドとは、試合が中断しているタイミング。
審判が「タイム」と宣告している時がボールデッドです。
ただ、それ以外にもボールデッドのタイニングがあります。
- ファールボールになった時(審判が「プレイ」と再開するまでの間)
- スリーアウトチェンジになったとき
- 打撃妨害や守備妨害、走塁妨害等が発生したとき
- ホームランを打った選手がホームベースに帰ったとき
- 打球を野手が捕りに行ってベンチやスタンドに入ったとき
上記のようなタイミングで監督が選手交代を告げることが多いですね。
あとは地方の野球場でよくありますが、ファールゾーンで投球練習をしていて、そのボールがフェアグランドに入ってしまうと審判が慌ててタイムする時もありますね。
そこいった時もボールデッドです。
共通することはプレーが中断していて、試合に影響のないタイミングでのみ選手交代ができるということです。
プロアマ共通の選手交代ルール
投手の選手交代
投手は基本的に1人の打者に対しては、結果が出るまで交代できません。
結果とはホームラン、ヒット、アウトなど何でも良いので、とにかく1人の打者に対しては投げなければいけないルールになっています。
そして1人の打者に投げ終えて、2人目の打者に対してはどのタイミングでピッチャーを代えてもOKです。
例えば、カウント2ボール2ストライクから代えるのもOK。
あまりカウント途中で投手交代をする監督はいませんが、ルール上はOKになっています。
ちなみに、もし1人の打者に対して投球中にピッチャーが足をくじいたり、怪我をしたとします。
その場合は特例で審判が交代を許可しています。
守備の選手交代
守備の選手交代もボールデッドのときにできます。
選手交代をする時、出場している選手同士が代わる場合は守備位置のみ変更で打順の変更はありません。
そして、控え選手と出場している選手が代わる場合は、出場している選手の打順にそのまま控え選手が入ります。
一度退いた選手は再び試合に出場することはできません。
打者の選手交代
打者は試合に出場していない選手と交代することができます。
あまり打てない打者が強力なバッティングをする選手に交代するケースがよくありますね。
尚、打者はボールデットならどのタイミングでも交代可能です。
カウント2ボール1ストライクなど途中でも交代できます。
さらには、1回も打席に立たなくても交代できます。
プロ野球でよく見られるシーンですが、左の打者が代打で出てきて、相手チームが左ピッチャーを当ててくるときがあります。
すると再び攻撃側のチームがその左打者に対して右の打者を代打に送ることがあります。
いわゆる「代打の代打」と呼ばれるケースです。
この場合、左打者は一度も打席に立っていませんが、出場記録としては残るので再び試合に出場することはできません。
走者の選手交代
ボールデッドのタイミングで、攻撃側がタイムを要求して走者の交代ができます。
この場合も、控え選手のみ交代可能です。
代走に出た選手は代わった選手の打順にそのまま入ります。
控え選手が足りなくなったらどうする?
選手交代は登録選手すべて可能ですが、実際には登録選手すべてを使うことはありません。
仮に全ての選手を起用して、試合が成立する前に怪我をしてしまい、出場続行が無理な場合は没収試合となってしまうからです。
没収試合になると相手チームの勝利となります。
プロ野球ではなかなかこういったケースはないですが、人数の少ない高校野球などでは登録選手自体が9人しかいないケースもあり、時折起こる状況です。
アマ独自の選手交代ルールについて
選手の登録人数に限りがあるアマの場合は、特例処置としての選手交代ルールがあります。
それは臨時代走。
高校野球などでよく見られるシーンですが、打者の顔や頭にデッドボールを受けてしまった場合、一度治療を行うため、その選手が退いて他の選手が出場します。
ただ、控え選手が出場するのではなく、その打者の前の打者が臨時代走として出場します。
尚、負傷した選手の前の打者が投手の場合、さらに一つの前の打順の選手が臨時代走として出場します。
そして、治療を行った後、再びプレーするのに問題がなければ、次回、回ってきたときの打者として、あるいは守備から出場することができます。
高校野球の場合、安全面を重視するので、もし顔付近にデッドボールが当たり、本人が平気な素振りをしていても臨時代走が送られることが多いです。