ピッチャーがバッターを打ち取るには色々な相違工夫が必要になってきます。
例えば、いくらピッチャーが速いストレートを投げる投手だったとしても、そのボールばかり続けていればバッターも次第に順応していきます。
ここではピッチャーとバッターとの駆け引きについてみていきましょう!
相手の裏をかく投球
ピッチャーにあまりスピードがない、あるいは多彩な変化球があるわけではないという場合は相手の裏をかく投球が大事になってきます。
具体的にはストレート狙いのところで変化球、変化球狙いのところでストレートといった形です。
あるいはインコースに的を縛っていそうなら外角中心の配球など、相手の逆、逆を突くような投球なら相手を打ち取れる可能性が高まっていきます。
また、「1試合トータルで考えた配球」という考え方もあります。
例えば、最初はストレート狙いのバッターに対して変化球ばかり投げる、そしてストレートを投げないと見せかけて、第3打席や第4打席で一転してストレートを続けるなど。
このように相手に印象やイメージを持たせてから違った攻め方をするというのも効果的です。
かつてヤクルトで活躍した古田選手は 「 あえて重要ではない場面で打たせて、本当に打ち取りたい場面のために違った攻め方を準備しておく 」 と発言をしていたことがあります。
このように状況に合わせて攻め方を変えるというのも一つの考え方です。
あえて好きなコースギリギリを攻める
例えば高めのストレートが好きなバッターがいたとします。
一般的に考えれば高めのストレートは危ないので要求しないキャッチャーが多いです。
しかし、少しでもコースが厳しいと打ち取れる可能性が高まるケースもあります。
バッターの意識としても「高めのストレートが得意」という意識があるので高いだけで、ついつい振ってしまうことがあります。
そのため、あえて高めの内角ストレート要求し続け、手を出させて打ち取るという方法もあります。
得意と不得意が表裏一体のケースもあるので、そこをうまく活用したリードもバッターとの駆け引きの醍醐味といえます。
牽制の仕草やプレートを外すのも重要
バッターと駆け引きする場合、牽制を使ったり、プレートを外す仕草で、バッターの意識やサインを見抜ける可能性があります。
例えばランナー、一塁の場面。
ここで一塁に牽制をすると、バッターが一瞬、バントの構えをする時があります。
これで「バントのサインが出ていたんだな」と感じ取ることができるため、簡単にバントしにくいボール(高めのストレートや低めの変化球など)を中心に組み立てることもできます。
チームによっては牽制球を挟んだだけでサインを変えるチームもあるのですが、一つの駆け引きとしてランナーがいる時は、あえて牽制をする仕草を取り入れるのも有効です。
困った時の外角のストレート!
ピッチャーの定説として、困った時は外角のストレートを投げ込むという考え方があります。
外角のストレートが一番長打になりにくく、ヒットにしにくいボールと考えられるからです。
特に学生年代ではまだそこまでパワーがあるわけではありませんので、外角のボールを流してホームラン、あるいは長打するというのは難しいことです。
そこで、外角低めのストレートを投げるというのが組み立てとして多くなってきます。
では外角ストレートだけでいいのかというと、そうではありません。
やはり配球に偏りがあると、相手もそれを見抜きますし、外角に照準を合わせてバッティングすればヒットになる確率も高まります。
特にヒットで良い場面(ランナー3塁など)なら、長打を狙う必要がなく、合わせてくるバッティングで良いので外角だからといって打ち取れるとは限りません。
状況に合わせて、「ヒットならOK」という場面で外角ストレートを活用すると良いでしょう。
まとめ
以上、バッターとの駆け引きについてご紹介しました。
バッターの性格や特徴、仕草などをしっかり見抜いて打ち取れる球種やコースを選択していきましょう。
また、巧みな采配をする監督もいるのでサインが出ていないか牽制球で下調べするのもお勧めです。