野球ルール・勝ち投手について解説!野球をより楽しもう!

ルール / 用語

プロ野球の勝ち投手の権利が得られるルールについてご存知ですか?
先発投手が5回まで投げると、実況アナウンサーが「○○投手が勝利の権利を得ました!」などと発することがありますね。

ただ、それ以外にも先発投手の勝ち投手ルールがあるんです!
そのあたり詳しく解説しましょう。

勝ち投手の権利とは?

まず大前提として、どんな試合で勝ち投手が決まるのか見ていきましょう。
公認野球規則には下記のように記載されています。

ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。

つまり、勝ち試合で決勝点が入った時に投げていたピッチャーです。
ただ、投手交代のタイミングや何イニング投げたかなどいろいろな条件も合わさっているので、複雑で理解していない方も多いです。

先発投手の勝ち投手権利について

先発投手が勝ち投手の権利を得るにはどんな条件が必要なのか。
公認野球規則には下記のように記載されています。

先発投手は、次の回数を完了しなければ勝投手の記録は与えられない。
(1)勝チームの守備が6回以上の試合では5回。
(2)勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回。

書き方がちょっとややこしいですね。
簡単に言うと、6回以上のイニングを経過している試合だったら、5イニングは投げないと勝ち投手の権利を得られないということです。

プロ野球は通常、9回まで試合を行いますから、その場合は5回まで投げていれば勝ち投手の権利を得られます。

ただ問題は5回で試合が終了した時。
試合が5回まで進み、どちらかに点が入って終了するケースもあります。
特に降雨コールドが多いですね。

その場合は5回まで投げていなくても良いですよというルールです。
4回まで投げきっていれば、先発投手に勝ち投手の権利が得られます。

プロ野球の場合、こういったケースが意外と少ないです。
プロ野球の先発投手は好投していれば、5回まで投げきるケースが多いですからね。
好投していて、4回投げ終えて代わるケースは滅多にないので。

そういった意味では5回降雨コールドで、先発投手が勝ち星を得たという例は非常に少ないです。
近年のデータを遡ると、2019年と2018年に4回を投げて勝ち投手になった例があります。

2019年シーズンにソフトバンクのミランダ投手が4回を投げて2失点ながらも勝ち投手になっています。
この試合では降雨コールドにより5回で試合が終了。
ソフトバンクが4対2で勝利を収めています。

2018年にもイースタンリーグで日本ハムの堀投手が4回を投げ終えて、5回コールドで勝ち投手になっています。
尚、イースタンリーグの場合は投手起用を多くしたいというチーム事情から、先発投手が早めに変わるケースもあるので、こういった記録が時折残っています。

ちなみにこの試合では堀投手が4回無失点。
後を継いだ北村投手が1回無失点で日本ハムがロッテを相手に6対0で勝利を収めています。

またちょっと勘違いされやすいケースが、先発投手が5イニング投げて試合にも勝っているのに、先発投手に勝ち星がつかないケースがあります。

それは一度逆転、または同点を許しているケースです。
例えば先発投手が5回を投げ終えて3対0で勝っているとします。

勝っている状態であとの投手に託したものの、救援陣が打たれて3対5で逆転を許す状況に。
その後再び逆転して、最終的には8対5で勝ったとします。

結果的には勝っていますが、一度、勝ち投手の権利を失っているのでこの場合は先発投手に勝ち星がつきません。

救援投手の勝ち投手権利について

次に救援投手の勝ち投手の権利について見ていきましょう。
むしろこっちの方がわからないという人も多いのでは。
公認野球規則には下記のように記載されています。

救援投手が1人であればその投手を、複数であれば最も効果的な投球をしたと公式記録員が判断した1人の投手を勝利投手とする。

この説明を見てちょっとびっくりですね。
「効果的な投球をした」と公式記録員が判断しているなんて知らない人も多いのでは。

ただ、実際プロ野球では逆転した時に誰が投げていたかということが判断材料になっています。

例えばホームチームが6回裏を終えた時点で、0対5で負けていたとします。
序盤から先発投手が打ち込まれ、すでに3人のピッチャーを投入していたとします。

しかし、7回表に打撃が爆発して、一気に逆転8対5。
そのまま試合が終了した場合は、逆転する前の回(6回裏)を投げ終えた投手が勝ち投手の権利を得ます。

仮に6回裏に3人目の投手が登場していて、その投手が1球だけでスリーアウト目をとっていたとしても、その投手が勝ち投手になります。

よく「1球で勝利投手」などとスポーツニュースで報道される時がありますね。
このように逆転する前のイニングに1球でも投げて打ち取っていれば、その投手に勝利投手の権利が得られます。

逆転した直前に誰が投げていたかチェックすれば勝ち投手を理解できるはずです。

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