野球のルールでわかりづらい「アウトの定義」とは?

ルール / 用語

野球中継や草野球、少年野球のルールにおいて普遍的なものがあります。

「アウト!」

一方のチームの攻撃中にアウトが3回コールされれば、攻守交替です。

シンプルながらも、実は奥が深い「アウト」の定義。

「これでアウトなの!?」という感覚は、観戦していても、実際にプレイしていても混乱の原因になります。

アウトの定義。正しい知識、認識を持って観戦したり、プレイしたりすることで、野球がさらに面白くなりますよ!

野球ルールにおけるアウトの定義とは?

野球ルールにおけるアウトの定義は、日本の野球規則を定めているルールブック「公認野球規則」に掲載されています。

野球でアウト (out)とは、攻撃側プレイヤー(打者や走者)が規則によりプレイから除かれることである。守備側が攻守を交代して攻撃側となるためには、攻撃側から3個のアウトを取らなければならない 。

公認野球規則5.07:http://asaka-aba.net/kisoku.html

アウトを記録することで、攻撃回(イニング)を消化します。

イニングを消化することで試合が進行されるため、アウトは野球の試合進行における重要な要素なのです。

プレイ別アウトの種類

定義にもあるように、野球のアウトは「打者・走者」が対象です。

守備側がアウトになることはありません。

ただし、守備側がルールを逸脱したプレイを行うと、塁上にいる走者やバッターズボックス内にいる打者に対して「進塁」が与えられ、守備チームにとって不利な状況、つまり点数の入る可能性を高くしてしまうのです。

アウトの種類は打者で7つ、走者で7つに分類されます。

打者のアウト

  1. 見逃し三振
  2. 空振り三振
  3. フライアウト
  4. ゴロアウト
  5. バッターズボックス内でのルール違反
  6. フェアボールが走者に当たった場合
  7. 守備妨害

4までは少年野球でも普通に教えるルールですが、5から7に関してはきちんと理解していないと「なんでアウト!?」と混乱してしまいます。

5のバッターズボックス内でのルール違反とは、ボックスの白い枠から足をはみ出してバッティング行為をした場合です。フェアでもファールでもアウトになります。

もう一つは、投手が投球動作中にバッターボックス内を超えて打席の移動をするとアウトになります。

6と7はある意味でつながっています。

7の守備妨害とは、打者や走者が守備行為の邪魔をすることです。

打者が放ったボールに対してなんらかの行為をしてアウトになることを邪魔するとアウトになります。

6の場合は、打者が放ったボールが走者に当たってしまった場合、故意もしくは故意ではないにしろ守備妨害にあたり、アウトが宣告されます。

走者のアウト

  1. オーバーラン
  2. 塁の占有権
  3. 走路
  4. リタッチ
  5. アピールプレー
  6. インターフェア
  7. ペナルティ

オーバーランとは、打者が進塁した際に、ベースを踏み忘れており、タッチプレーでアウトになる行為です。5のアピールプレーとつながっています。

塁の占有権とは走者が同じ塁上にいる場合の優先順位です。

先にいた走者に占有権があるため、同じ塁上に2人の走者がいる場合、後ろの走者にタッチすることでアウトになります。

走路とは塁線の左右3フィート(91.44センチメートル)を超えて走者が走塁をした場合です。

リタッチとは「タッチアップ」でアウトになることです。

フライなどで打者のアウトを宣告される前に走者が塁を離れ、フライアウトが宣告されてからベースにタッチせずに進塁してタッチされるとアウトになります。

アピールプレーとは、オーバーランやリタッチのタイミングが早かった場合、守備側がそれらの行為を審判にアピールしてからタッチすることでアウトになる行為です。

インターフェアは「打者のアウト6」のことです。打者の打球が走者に当たることでアウトになることを指します。

ペナルティとは、守備妨害やダブルプレーの妨害などで与えられるアウトです。

アピールプレー以外の審判に対する抗議もペナルティとしてアウトになります。

プロ野球などでは、退場を宣告されて球場内から立ち去らなければならないケースもあります。

わかりづらいアウトのルール

わかりづらいアウトのルールとして注目されたのは、2012年の甲子園野球大会で熊本代表濟々黌が徳島代表鳴門に対して行った「第3アウトの置き換え」です。

1アウト1,3塁の場面。

3塁からショートライナーが1塁に送球されてダブルプレーが完成する前に、3塁走者が帰塁しないまま(リタッチしないまま)ホームベースにタッチ。鳴門のアピールがなく得点が認められて貴重なダメ押し点が入るという珍しいプレイがありました。

このプレイは7回だったのですが、実は5回にも同じシチュエーションがありました。

5回の時はダブルプレーの成立が早かったために得点にはなりませんでした。

しかし、濟々黌は鳴門がルールを理解していない隙をついて、同じシチュエーションだった7回に「第3のアウトの置き換え」を行います。

結果的にこの行為が認められ、濟々黌には1点が認められました。

ルールブック上の「第3のアウトの置き換え」はこう記されています。

“第3アウトになるより先に、走者がホームを踏んだ場合は得点になる。ただし、打者走者が1塁に達する前に第3アウトになった場合、または塁上の走者がフォースアウトで第3アウトになった場合は得点にならない。”

引用元:公認野球規則5.07:http://asaka-aba.net/kisoku.html

ここで3塁走者をアウトにするためには、守備側がアピールプレーをしなければなりません。

  • 3塁走者がタッチアップをしていないこと
  • 「第3アウトの置き換え」をすること

このアピールをせずに守備側の選手がすべてファールゾーンに出てしまうと、アピールプレーの権利を失ってしまいます。

野球のルールを知らない、知っているということが得点につながったということですね。

さいごに

野球のルールで絶対的なものは「アウト」です。

この行為をしたらアウト、この行為をしなかったらセーフというシンプルながらも複雑なルールが絡みあっています。

アウトの定義を踏まえつつ、ルールを覚えていくと、さらに野球の面白さがわかりますよ!

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