野球の延長戦のルールとは?時代と共に変化

ルール / 用語

野球の延長戦はカテゴリーや時代によって規定が変わってきています。
どのような延長ルールがあるのか、プロ野球、アマチュア野球、高校野球、メジャーリーグなどを詳しくまとめました。

日本のプロ野球

日本のプロ野球は長い間延長12回、時間無制限が採用されてきました。
セリーグとパリーグでそれぞれルールが個別に設定されていることもありましたが、今は共通のルールとなっています。

なお照明設備のない地方球場などの場合は必ずしも12回までやるとは限らず、サスペンテッドゲームとなり、12回に到達する前に終了することもあります。

スピーディーな試合運びを期待して時間制限を用いたこともありましたが、時間稼ぎなどが発生したため、本来の趣向とは違った状態になり、撤廃された歴史もあります。

メジャーリーグ

メジャーリーグは基本的に延長に入っても、回数制限や時間制限がありません。
決着がつくまで試合をするというスタンスです。

そのため、日付が変わっても試合が行われているケースもよくあります。

一時期は消灯ルールやサスペンテッドゲームを採用していた時期もありますが、「ベースボールは決着がつくまでやる」というスタンスを貫き、現在も回数制限などはありません。

世界大会

オリンピックやWBCなどは時間、回数無制限で行われるケースが多かったです。
ただ、タイブレーク方式はオリンピックもWBCも採用しています。

オリンピック、WBCともに延長11回以降は無死1、2塁攻撃開始となっています。
ただし、オリンピックは任意の打順から再開できましたが、WBCは延長10回から打順を引き継ぐ形で行っています。

社会人野球

社会人野球はリーグ戦ではなく、トーナメント制を採用している大会が多いため、基本的に延長戦は回数無制限で開催されるケースが多いです。

ただ、同じ球場で数試合予定しているケースもあるため、延長に入った場合にタイブレーク方式を採用し、点が入りやすい状況で延長を行っているケースもあります。
あるいは引き分けを導入し、翌日再試合などを行うケースもあります。

大学野球

大学野球は色々なリーグがあるので、それぞれの地域ごとに規定があります。
ただ、大体は12回まで、あるいは15回までとしているケースが多いです。

また、東京六大学野球のようにプロ野球が使用する球場(神宮球場)を使っているケースもあり、プロと試合が併用される日は延長なしと設定しているケースもあります。

高校野球

高校野球は非常に長い歴史があり、延長ルールはかなり変わっています。

昭和初期の頃は延長の制限がなく、延長25回まで戦われた記録も残っています。
有名なところでは板東英二投手を擁した徳島商業が延長16回、延長25回を戦ったという記録があります。

それ以降は延長18回まで、延長15回までとルールを変えてきました。

現在甲子園大会ではタイブレーク方式が導入されています。
延長10回に入ったら、一死走者満塁からスタートし、得点が入るような状況で延長戦を行っています。

なお、タイブレーク方式が採用され、回数制限はなくなりました。
ルール上は延長何回でも続くことになりますが、得点の入りやすいスタイルに変わったため、延長が延々続くという事例は今のところありません。 

少年野球(中学、小学)

中学野球の場合は7回終了時点で同点の場合、延長に入りますが、2時間20分を超えている場合は、新しいイニングに入りません。
タイブレーク方式を採用しています。

小学野球の場合は6回終了時点で同点の場合、延長に入りますが、1時間40分を超えている場合は、新しいイニングに入りません。
タイブレーク方式を採用しています。

なお、中学生は1日で最大投げられるイニングは7イニング、小学生は6イニングと定められています。

昔は小学生でも7イニング制でしたが、肩肘などの疲労や怪我を考慮して、イニングが短くなっています。

2020年プロ野球は特例的に延長10回で打ち切り

2020年のプロ野球は新型コロナウイルスの影響で選手の負担、感染拡大防止特例として延長10回までとなっています。

現時点では2020年のみの特例としていますが、新型コロナウイルスの収束が見えない限り、2021年以降も続く可能性があります。

まとめ

以上、野球の延長ルールについて解説しました。
プロ野球もアマ野球もかなり延長ルールが変わってきていることがわかります。

特に高校野球は、選手の負担を考え、長い延長はやらない方向に時代とともに進んでいます。

延長のドラマチックな展開が好きな方にはちょっと寂しく思うかもしれませんが、選手の負担を考えると、これも自然な流れなのかもしれません。

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