プロ野球で人的補償に関するルールをまとめてみた

ルール / 用語

プロ野球の人的補償に関するルールをまとめました。

FA宣言した後に旧球団に対して人的補償リストを提示する必要があります。
そこからどんな選手を獲得するのかというのも、野球ファンのひとつの楽しみといえます。

ここでは人的補償に関するルールを詳しく解説します!

プロ野球の人的補償とは

FA宣言した後に移籍先球団から移籍元球団へ人的補償が行われるケースがあります。

FAで移籍選手ばかりになってしまっては選手が不足してしまいますから、そういった補償も兼ねて人的補償という制度があります。

金銭のみの補償を移籍元球団が選択するケースもありますが、有望な選手が人的補償リストから漏れていると指名されることもよくあります。

人的補償はプロテクト28人から漏れた選手が対象になります。
プロ野球は1チームにつき最大70名の支配下登録ができます。
28人以外でも、まだ40名ほどの選手がいますから、中には有望株が人的補償として移籍するケースもこれまで数多く起こっています。

なお、人的補償は国内FAのみ適用されるもので、海外FA権を行使した場合は人的補償はありません。

人的補償のルール

人的補償には下記のようなルールがあります。

  • 複数年契約中の選手もプロテクトしたければプロテクト枠に含めなければいけない(含まれていないと人的補償の対象となる)
  • 直近のドラフトで獲得した選手は対象外
  • シーズンオフにトレードで入団が決まっている選手もプロテクトしたければプロテクト枠に含めなければいけない
  • 外国人枠の適用外となった外国人選手

例えば2020年のシーズンオフにFA宣言した場合、2020年に指名されたドラフト選手はプロテクトに含める必要はないということです。

また、外国人選手も例えばバレンティン選手のように日本で長く活躍していて、外国人枠を外れた選手は人的補償リストを作る時に保有したければプロテクト枠に含めなければいけません。

プロテクト枠28人というのは意外と難しい枠で、野手と投手のレギュラークラスを確保すれば、それだけで20人近くなってしまいます。

あとはちょっと年齢的にピークを過ぎたベテラン選手をプロテクトするのか、あるいは将来有望な選手をプロテクトするのか、球団内で意見が分かれるところです。

人的補償だけでなく金銭も補償しなければいけない?

人的補償を選択すると金銭を支払っていないイメージがありますが、FA宣言した選手の年俸によって金銭が必要になります。

FA選手のランクはAランク、Bランク、Cランクに分かれます。

これは所属球団の年俸順にランク付けされ、上位3人までがAランク、4位から10位までがBランク、11位以下をCランクとしています。

例えば、Aランクの選手がFA宣言した場合は人的補償で選手を獲得しても、そこからさらに旧年俸の0.5倍の金銭が必要です。

わかりやすく言うと、年俸2億円の選手がAランクだった場合、人的補償で選手を放出して、尚且つ年俸2億円の0.5倍、つまり1億円を支払う必要があります。

Bランクの場合は旧年俸の0.4倍となります。
Cランクの場合は人的補償も金銭の補償も発生しません。

旧チームにとっては選手を放出するだけで、何気にCランクの放出は痛いと言われています。

人的補償リストは各チームで分けて提出できる

1チームに2名以上FA宣言で移籍が決定した場合、各球団に人的補償リストを提出しますが、そのリストは共通でなければいけないということはありません。

例えば、2018年のシーズンオフには巨人が西武から炭谷選手、広島から丸選手を獲得しました。
炭谷選手と丸選手はそれぞれBランク以上でしたので、人的補償リストを各チームに提出する必要があります。

ただ、広島と西武ではチーム事情が異なります。
例えば西武なら投手陣が弱いと指摘されていましたから、投手を指名したいと考える可能性が高いです。

その場合は投手を多めにプロテクトするということができます。

一方広島なら外野手の丸選手が抜けて、外野手を指名してくる可能性があると考え、外野手を多めにプロテクトすることも出来ます。

あるいはチームスタイルからベテランは指名しないだろうと考え、若手を多くプロテクトする方法もあります。(ちなみに広島はベテランを指名しないだろうという予測とは違い、ベテランの長野選手を指名。これには巨人ファンを中心に賛否両論沸きました)

このように人的補償リストを作るのも球団の大切な作業といえます。

まとめ

以上、プロ野球の人的補償に関するルールを紹介しました。
人的補償は伸び悩んだ選手が指名されて、新たな所属先で花開くケースもあります。

結果的には大型トレードだったということもありますので、やっている選手は大変ですが、見ているファンとしては一つの楽しみでもあります。

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