野球の基本は「走攻守」です。
どれだけ大きなヒットを打ったとしても、ランナーのルールを知らなければ点数にはつながりません。
ヒットを打って塁上にいるときに正しいルールを知っていれば、楽しい野球が「楽しく考える野球」に進化します。
子供の成長には学習が重要なように、野球の成長にもルールなどの知識が重要なのです。
ランナーのルールの基本
ランナーのルールを覚えるといっても、基本である「アウト」と「セーフ」の基準が分かっていればそれほど難しいことではありません。
ランナーがアウトになる条件を基本と応用にわけて紹介していきます。
ランナーがアウトになる条件(基本)
- 塁を離れているときにタッチされたとき
塁間を進塁しているときに、ボールを持った守備側プレイヤーからタッチされるとアウトになります。
- ラインアウト(3フィートオーバー)したとき
挟殺プレイ時、ファールラインもしくは塁をつなぐ線上91.4センチ(3フィート)をオーバーするとアウトです。
- リタッチアウト
タッチアップなどで、一度塁に戻らずに進塁した場合、リタッチのタイミングが早く(ボールを取る前に進塁する)タッチアップで戻らなければならない塁にボールタッチされると、体に触れなくてもアウトになります。
- 守備妨害
打球を処理している野手のプレイを妨害するとアウトになります。ただし、守備と関係のない場面で野手に接触した場合は走塁妨害となり、自動的に進塁が与えられます。
- 打球が体に当たったとき
守備妨害と同じルールが適用されます。ただし、守備がエラーをして、他の野手が捕球できるチャンスがないと審判が判断した場合に限り、打球がランナーに当たってもアウトにはなりません。
- 危険行為
ランナーの危険行為とは「スパイクの裏を相手野手に向けてスライディングをする」など、怪我につながるプレイを故意に行った場合です。最悪の場合、退場となり、その試合中は出場できなくなります。
ランナーがアウトになる条件(応用)
- 他のランナーを追い越したとき
前を走っているランナーを追い越したときもアウトです。この場合、たとえホームランでも追い越したランナーはアウトになります。
- 無意味な逆走をしたとき
挟殺プレイなど特殊な場合を除き、プレイとは無関係に逆走した場合はアウトになります。
- ベースコーチ(コーチャー)がランナーに触れて止めたり援助をしたりしたとき
1塁と3塁にいるベースコーチがランナーに触れてランナーストップを強行したり、ランナーの補助をしたりした場合はアウトが宣告されます。ベースコーチも最悪の場合退場になります。
- ベースを踏み忘れて守備側が審判にアピールしたとき
ランナーがベースを踏み忘れて、守備側が塁審に対してアピールをしたときはアウトになります。逆に、踏み忘れてもアピールプレイが行われず、そのままピッチャーにボールが渡りプレイ再開になった場合はアウトにする権利が失われます。
アウトになる基準はこれらのシチュエーションが多いです。
反対にプレイ中であっても、自動的に進塁が宣告されるケースもありますが、それはほとんどが守備側のミスや投手側のミスが原因です。
進塁を宣告されたランナーは、そのまま自動的に進塁できます。
この進塁中にタッチをされてもアウトにはなりません。
ランナーは相手チーム全体との駆け引きが重要
バッターはピッチャー、キャッチャーとの闘いです。
対してランナーは相手のピッチャーとキャッチャーに加えて野手全員との闘い、駆け引きをしなくてはいけません。
リード1つにしろ、盗塁にしろ、得点に直結するランナーの責任は重大なのです。
最近ではプロ野球でも代走が多くなりました。
走塁が得意なプロ野球選手は、足が速いだけではなく、ランナーのルールも熟知しつつ、駆け引きも上手くなければいけないのです。
さいごに
バッターとしてボールを外野まで飛ばすパワーが無くても、フォアボールやデッドボールで進塁すれば、ランナーとして相手チームと闘わなくてはいけません。
そうしたときに、きちんとしたランナーのルールを覚えておけば、足と頭で相手チームと駆け引きができます。
考えて走ること。
特に少年野球や中学生野球のような、育ち盛りにはぜひ教えておきたいルールの1つなのです。