捕手にはどんなルールがあるのか。
試合の中でのルール、捕手の動作に関するルールなどいろいろな視点から紹介します。
捕手のルール
守備位置
守備位置は唯一キャッチャーだけファールゾーンになります。
ホームプレートの後ろ部分で、キャッチャーボックス内ならどこで構えても問題ないです。
ただし、あまりにもバッターボックスに近寄りすぎてしまうと、バッターのスイングがキャッチャーのミット、あるいは捕手自体に当たってしまうので、そこまで近寄って構える捕手はいません。
危険なことももちろんそうですが、バッターのスイングを邪魔してしまうと打撃妨害になります。
打撃妨害になった場合は、下記のようなペナルティがあります。
- 打者は自動的に一塁へ
- 盗塁していたランナーは盗塁が認められる
ボークとは違い、ランナーが盗塁をしていなければ進塁はありません。(ただし、ランナー一塁の場合は打者が一塁に行くので、必然的にランナーが二塁に行く形になります)
ちなみにキャッチャーボックスから片足でも出ていたらキャッチャーボークとなります。
めったにない例ですが、もしランナーがいれば進塁扱いになります。
ブロック
公認野球規則ではブロックについて下記のようなルールが定められています。
「捕手がボールを持っていない状態で走者の進路を塞ぐ権利はない。」
例えばランナー二塁の状況で、レフトへヒットを打ったとします。
そして、レフトからホームへの返球を待っている間にランナーの妨げになる位置に立ってはいけないということです。
また、プロ野球では2016年からコリジョンルールがスタートし、捕球時でも走者の走路を妨害する行為が許されないようになっています。
ホームでのクロスプレーはホームベースの前、あるいは横に立って走者の進路を妨害しないタッチが求められています。
このルールの背景には走者が危険なタックルをし、捕手がケガをするケースが出たため、ルールがスタートしました。
特に外国人選手など体の大きい選手が捕手めがけて突進してくるシーンがよくありましたね。
勢いに乗った体の大きい選手が、ただ立ってるだけの捕手にぶつかるのは非常に危険です。
そういった意味でコリジョンルールがスタートしましたが、三塁側のホームベース寄りに捕手が立てないので、タッチが一瞬遅れ、クロスプレーでセーフになってしまうシーンも見受けられます。
尚、野手からの返球が逸れて、仕方なしに走路にボールが行った場合に捕りにいくのは走路妨害とはなりません。
捕手の送球
捕手はブロックに関しては注意しなければいけませんが、逆に妨害されてしまうケースもあります。
それは捕手の送球時。
例えばランナーが盗塁して、それを阻止するために二塁、あるいは三塁に投げることがあります。
その際に打者が捕手の送球の邪魔してしまった場合は守備妨害となりアウトになります。
実際よくあるシーンは、打者が空振りをしてバランスを崩し、ホームベースなどに体をずらしてしまうケース。
そうなると、ちょうどキャッチャーが投げようとしていたところに打者が覆いかぶさるようになって、送球の妨げになります。
その場合、守備妨害と見なされランナーがアウトになります。
公認野球規則では下記のように記載があります。
「バッターがバッターボックスの外に出てキャッチャーの守備、および送球を妨害した場合」
守備妨害と認められれば盗塁が成功していようが、してなかろうがランナーがアウトになります。
キャッチャーミットのルール
公認野球規則ではキャッチャーミットについて下記のような記載があります。
- キャッチャーミットの外縁につけられているものも含めて外周で38インチ(96.5cm以下)
- キャッチャーミットの先端から下端までが15.5インチ(39.4cm以下)
- 親指部分と人差し指の部分の間隔は6インチ(15.2cm以下)
- 親指のまた上部分は4インチ(10.2cm以下)
上記のように定められています。
ただ、実際問題、市販のキャッチャーミットはこういった公認野球規則のものしか販売されていませんので、サイズはそこまで気にする必要はないでしょう。
自分で手を加えて、Web部分を長いものにしたりしない限り、公認野球規則内で収まるキャッチャーミットばかりです。
また、キャッチャーミットには特に重量制限がありませんので軽くて使いやすいもの、あるいはちょっと重たさがあって安定したものなど、好みによって使い分けることができます。
まとめ
以上、捕手にまつわるルールについて紹介しました。
キャッチャーボックス内に構えなければいけないなど、昔から変わらないルールもありますが、コリジョンのように時代によって野球のルールが改定されていくところもあります。
捕手は特に危険なプレーに出くわすポジションでもありますから、そういった安全性もこれからルールに組み込まれていくことでしょう。