中学生で野球をやるには硬式が良いのか、軟式が良いのか迷う方も多いでしょう。
特にピッチャーの場合はどちらを選択するか迷うという意見をよく聞きます。
ここでは中学野球のピッチャーの育成について詳しく解説します!
シニアやボーイズ全盛でも軟式野球を選んで大丈夫?
プロ野球選手の経歴を見ると、ボーイズやシニア出身者(硬式)が多いことがわかります。
本格的に野球に打ち込める環境がありますから、そういった環境に身を置いて野球に取り組みたいと考えるのも非常に理にかなったことだと思います。
ただ一方で、プロ野球選手の投手に限定してみると、実は硬式と軟式で同じくらいの数ということがわかっています。
中学時代に硬式野球経験者と軟式野球経験者の投手を対象としたデータが集計されています。
- 硬式出身者:129名
- 軟式出身者:151名
参考:https://baseballking.jp/ns/184817
このように同じような数字でありながらも、実は軟式野球出身者の方が多いことがわかっています。
そして、もう一つ面白いデータがあります。
それは2019年のプロ野球開幕投手。
12球団中11球団で日本人投手が開幕投手を務めました。
そして、なんとその11人すべてが軟式野球出身ということが明らかに!
こういったことから考えても、大成するような投手で軟式出身者が多いことがわかります。
この数字の背景には、どういったことが考えられるのでしょうか。
肩、肘の負担を考慮し、軟式を選択
中学時代に投手が軟式野球を選ぶ最大のメリットは、肩、肘の負担を軽減できる点です。
軟式の方がボールがやわらかく、重さも軽いのでまだ成長段階の中学生の体にかかる負担も減ります。
例えば、毎日重い硬球で投球練習をしていると次第に肩や肘に負担がかかり、野球肘や野球肩を発症してしまう中学生も少なくありません。
特にピッチングフォームがまだ定まっていない時に硬球を扱うのは、決してお勧めできる事ではありません。
下記のような場合、まずは軟式野球を選択しておいた方が無難でしょう。
- 身長が小さい
- 体がまだ出来上がっていない
- 正しい投球フォームが身についていない
- ボーイズやシニアで信頼のおける指導者がいない
中学野球で軟式を選んでもプロ野球選手の道が厳しくなるわけではありません。まずは無理せず、自分の体や投球フォームと向き合って軟式から始めるのも一つの手段です。
ボーイズやシニアが悪いわけではない
誤解のないように説明しておくと、中学野球で硬式に触れることが悪いというわけではありません。
実際、硬式野球出身者のプロ野球選手も多くいますし、例えば現在メジャーリーガーで活躍しているダルビッシュ投手や田中投手、前田投手なども硬式出身です。
正しいフォームを早い段階で身につけ、怪我をしないケアをしておけば、プロ野球選手になれる可能性も十分あります。
また、ボーイズやシニアのメリットは素晴らしい指導者が在籍しているケースが多い点です。
さらには同じチームの選手や相手チームの選手もレベルが高く、向上心を持っている選手が多いです。
そして強豪チームともなると、高校野球の強豪チームとのパイプがあり、勧誘されるケースもあります。
素晴らしい選手には特待生など具体的なオファーが届くこともあるので、シニアやボーイズももちろんメリットがあります。
一方、軟式野球はあまりに野球経験がない先生が指導する中学校もあるため、慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
以上、中学野球でピッチャーをやる場合は軟式野球が良いのか、硬式野球が良いのか解説しました。
結論としては、どちらを選択してもプロ野球選手になれる可能性がありますが、肩肘の負担を考え、まずは軟式野球でじっくり基本から身につけても遅くないということです。
なお、野手の場合はシニアやボーイズ出身者の方が多くなっています。
早い段階で硬式に慣れた方が、その分アドバンテージが生まれ、活躍する選手が多くなっています。