ここでは野球のデッドボールのルールについて解説します。
デッドボールはピッチャーが投げたボールが打者に当たったケースでデッドボールと呼びます。
ただ、実際にはさらに細かいルールが設定されていますので、そのあたり詳しくみていきましょう!
デットボールの基本的なルールについて
公認野球規則では、下記のように記載されています。
「投手の投球が打者に触れた場合、球審はボールデッドのジェスチャーをしてプレーを停止する。」
審判は両手を上の方に広げて、ファールボールと同じジェスチャーをしますが、当たったという合図をして打者を一塁側に促します。
ちなみに当たるという表現ではなく「触れる」という表現になっていますから、バッターのヘルメットにちょっとかすったり、バッティンググローブに当たったり、ユニホームにかする程度でもデッドボールになります。
かする程度でよくデッドボールと見抜けるなと思いますが、実際ユニホームなどにかすると、ボールの軌道が若干変化しますし、ユニホームが揺れるので、それでデッドボールと判断できます。
こんな場合はデッドボールになるの?
打者が避けようとしない
昔はどんな場合でも投球が打者に当たったらデッドボールでしたが、今は公認野球規則がちょっと変わって、一切避けようとせず、ボールに当たった場合はデッドボールではなく、ただのボール扱いとなります。
ただ実際にはちょっと背中を背けたり、体勢を変えていないのにデッドボールと申告される事も多いので、そのあたりの定義は曖昧な部分があります。
例えば90キロ程度のスローカーブが来て、避けられる時間は十分にあるのに一切避けようとせず、当たったら間違いなくボール扱いです。
ただ、155キロぐらいのスピードボールを投げる投手も最近は出てきているので、そういったボールが打者の背中付近などを襲ったら、ほとんど避けようのない状態になります。
そういう時は当たった瞬間にデットボールが宣告されることが多いです。
避けられた、避けられないの判断はあくまでも球審なので個人の裁量による部分が大きいとも言えます。
ワンバウンドしたボールが打者に当たる
投手が投げたボールがショートバウンドしてしまって打者に当たるケースも時折あります。
インコースのショートバウンドしたスライダーなどが打者に当たってしまうシーンもよくありますね。
その場合もデッドボールになります。
ワンバウンド、ツーバウンドなどバウンドしたからといって、特にデッドボールのルールに違いはありません。
打者に当たればデッドボールです。
しかし、上記の説明と同様に、避けていなければただのボール扱いです。
バッターが打とうとして体に当たってしまった
時折バッターが打ちにいって体にボールが当たってしまうことがあります。
この場合はボールゾーンに投球が来ていて、打者が少しでも避けるそぶりがあればデッドボール扱いです。
投球がストライクゾーンを通過しようとしていた場合は、仮に体に当たってもデッドボールにはならず、ストライクです。
また振りにいって、スイング扱いになっていて、ボールが体に当たった場合はデッドボールになりません。
ストライク扱いです。
ただ、実際にプロ野球などでもよくあるのですが、打ちに行った瞬間にボールが体付近にきてしまい、体に当たって、しかもスイングしてしまうことがあります。
そういったときは先に体に当たって、その後にスイングしたとみなされ、デッドボール扱いになることもあります。
打者の申告でデッドボールにならないケースも
2019年の甲子園でこんなシーンがありました。
花咲徳栄対明石商業の一戦。
7回1アウトランナーなしの場面で、花咲徳栄の9番バッター菅原選手への投球は内角へのボール球。
明らかなボール球でしたが、打者が前屈みになって避けている様子がわかります。
この場合、審判によってはデッドボールと判断する人もいるでしょう。
しかし、菅原選手は審判がジェスチャーする前に「自分から当たりに行ってしまった」と申告しました。
その結果、この投球はデッドボールではなく、ボール扱いに。
このように、審判の判断ではなく打者の申告によってデッドボールではないというケースも稀にですがあります。
非常に珍しいケースなのであまり見たことがないという人もいるかと思います。
ちなみに余談ですが、この後菅原選手は3球目をレフトスタンドへホームランしています。
それがまたドラマチックですね。
素直に申告したことで、野球の神様が微笑んだのかもしれません。
まとめ
以上、野球のデッドボールについて紹介しました。
基本的には、投球が打者に当たったらデットボールですが、明らかに避けていない場合はデッドボールではなく、ただのボール扱いになると覚えておきましょう。
しかし実際はしっかり避けるというより、避けるそぶりでも見せればデッドボール扱いになることが多いです。